A.成功している保険代理店が経営計画を立てる時に重要視しているポイントは3点あります。
①逆算思考による「事業別数値計画」の策定
②数値と連動した「未来組織図」の作成
③実行レベルに落とし込み、持続可能な組織を構築するための「ロードマップ」と「採用戦略」
です。
成功している保険代理店が中期経営計画を策定する際、特に重要視しているポイントを3つ解説します。
1. 逆算思考による「事業別数値計画」の策定
1つ目のポイントは、過去の延長線上での「なんとなくの目標」を捨て、5年後の理想像から逆算して各年の計画を立てることです 。
まず行うべきは、徹底した現状分析です。自社の数字を「個人・法人×生保・損保」の4象限に分解し、5年間の推移を把握します 。成功事例では、既存顧客の維持に加え、単価アップやクロスセルの余地を可視化することで、昨対比120%以上の成長を実現しています 。
また、「地域シェア」を意識することも欠かせません 。商圏人口やマーケットサイズから自社のシェアを算出し、存在・影響・一番といったポジションのどこを目指すのかを明確にします 。まずは専業代理店シェアでの「地域一番店(シェア26%)」をターゲットとし、具体的な年商目標に落とし込むことが計画の出発点となります 。
2. 「未来組織図」による機能別組織への移行
数値目標が決まったら、次にそれを達成するための「器」となる組織を設計します。これが2つ目のポイントである「未来組織図」の作成です 。
多くの代理店は、売上が増えても組織構造が変わらず、社長への業務集中が解消されません 。これを打破するためには、将来必要となる「機能(管理、事故対応、人事、採用など)」を定義し、年度別の組織図を描く必要があります 。
以下が、重要なポイントです。
☑生産性の管理
社員1人あたりの生産性基準を1,000万円とし、目標数値に対して人員が適正かを調整します 。
☑バイネームでの配置
将来の部長や拠点長候補を「実名(バイネーム)」で組織図に入れ、キャリアパスを可視化します 。
☑採用と退職のシミュレーション
単なる増員ではなく、退職数も見込んだリアルな採用計画を策定し、組織の若返りと定着を図ります 。
3. 「ロードマップ」による具体的アクションプランの明文化
最後のポイントは、数値計画と組織図を連動させた「ロードマップ」の作成です 。
ロードマップには、年度ごとの重点施策だけでなく、拠点別の実施事項、育成計画、M&A戦略、マーケティング戦略(異業種提携やクロスセル手法など)を詳細に記載します 。例えば、「社長の法人生保注力化」や「〇年目に〇〇市でM&A実施」といった具体的な行動を時系列で整理することで、現場が迷わず動けるようになります 。
終わりに
中期経営計画は「発表」してこそ実現します
経営計画は作成して満足するものではありません。
策定後は必ず「経営方針発表会」を開催し、全社員に向けて社長の「視座」と「具体的な戦略」を共有してください 。
ビジョンが共有されることで、社員の自主性が向上し、社長は「営業」から「市場づくり・人材づくり」という本来の経営業務にシフトできるようになります 。
このサイクルこそが、成長し続ける保険代理店の原動力なのです。

