vol.50 保険代理店の今後 ~株式会社としての代理店とは~

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執筆者船井総合研究所 インシュアランスチーム
コラムテーマ保険代理店
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先日9月25日に「保険クリニック」を展開する
アイリックコーポレーションが東証マザーズに上場しました。
 
公開価格が仮条件上限の1,770円に対して、初値が+25%の2,226円と
市場の期待値は大きいものであったことがうかがえます。
その後も堅調に株価が推移していることもあり、今後の推移が期待されます。
 
保険クリニックは1999年から来店型ショップを展開する、
来店時ショップの元祖ですが、設立から20年以上たち、株式公開となりました。
 
また同社は、顧客の需要に応じて各社の保険商品を自動で比較・提案するシステムも手掛けており、
すでに15の金融機関で同システムが採用されており、今後の拡大事業の1つとしています。
 
有価証券報告書に筆頭株主として「Nihon IFA partners Ltd.」という聞きなれない会社がありましたが、
2018年の大量保有報告書では1回も登場していない企業で、金融業を営む、IFA企業とは関係がないようです。
 
現在、保険代理店関係で、上場している会社は、「保険市場」を展開するアドバンスクリエイト(東証一部)、
「保険見直し本舗」を展開するニュートン・フィナンシャル・コンサルティング
(JASDAQ)、
アドバンテッジリスクマネジメント(東証一部)などがあります。
 
最大手の「ほけんの窓口」はかつてたびたび上場の可能性が示唆されていましたが、
現状ではまた上場していないので現状です。
 
さて、保険業界において、保険代理店の上場が一般的なものになってきましたが、ひと昔まえは、
保険会社はあくまで相互会社で、株式を公開することは業界のなかでもタブーとされる傾向がありました。
 
2014年に第一生命が上場した際には、契約者へ株式割り当てが実施されるなど、
株主への還元が話題になりましたが、保険会社は、相互扶助の精神により成り立つビジネスであるため、
利益を追求することは理念に反するとのことから様々な見解がありました。
 
一般的に、企業が株式を公開するメリットは、
 
1.株式公開によりブランディング浸透に有効
2.資金調達方法として有効
3.社会的信用度が高まる

 
といったメリットがありますが、その反面
 
1.株主への還元を強化する必要性
2.株価変動による株価変動リスクと信用リスク
3.上場によるコスト

 
といったことが挙げられます。
 
保険代理店の本業である保険商品販売による利益の創出は、
過去にも特定商品への販売や乗り換えといった顧客にとって
不利な営業が横行する温床にもなるとの指摘も一時期はありました。
金融庁の検査など、販売体制への厳格化が増す昨今では、
保険商品による手数料収入はこのまま増加傾向になるとはいえません。
 
しかし、冒頭の保険クリニックの事業のなかで、
金融機関へのシステム販売といった保険商品による手数料収入以外のビジネスを創出しているように、
システム開発やM&A資金としての株式公開は非常に合理的な上場目的であると考えます。
 
今後は、保険代理店が従来の販売方法で、保険料収入を増加させていくことは容易ではないといえます。
 
保険料収入を増加させるのならばどのようにして実行するか、
またそれ以外の業務で収益を創出していくには、
どのようなビジネスモデルが相応なのかを業界として必要になっているといえるでしょう。
 
 
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

以上



 




 

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執筆者 : 船井総合研究所 インシュアランスチーム

船井総研のインシュアランスチームによる経営コンサルティングは、全国の成功事例を武器に、変化する保険業界において「業績向上」と「永続経営」の両立を支援する専門家集団です。営業中心の組織から「経営中心の組織」へのシフトや、デジタル活用・人財採用など、次世代の保険代理店・FP事務所が抱える課題を即座に解決いたします。